【第5の法則】価格戦略は成功への第一歩


5の法則 価格戦略は成功への第一歩


◾️すべての中心は価格

◾価格が高いと起こる錯覚

◾️価値を高く保ち、お得感を出す方法

◾️値引きしてもいい瞬間

◾️ブランドは究極の価格戦略

◾️狙うはお忘れ課金

◾️価格を上げるための3つの方法



◾️価格はすべての中心


価格はすべての中心になる。「適当に価格なんて決めてもうまくいくだろう、、、」なんて考えている人は、小学1年生からやり直した方がいい。人間失格だ。



あなたが事業をしているなら価格1つでするべきこと、すべきでないことは大きく変わってくる。



例えば、お客さんが来店したときに、安い商品を取り扱っているドンキホーテが、高級ブランドFENDIのような丁寧な接客をするだろうか。ロレックスのような高級時計を街中のアパレルショップにある洋服のように「半額セール」なんてことをするだろうか。絶対にしない。ドンキがFENDIのような接客をすることもないし、ロレックスが「半額セール」をすることもない。



「価格1つで大袈裟だな〜」と思っている人のために、価格が少し変わると、どれだけ売上げに影響するのか深く理解できる話をしよう。



ファミリーレストランのサイゼリヤは、2020年のコロナウイルスの影響で多くの人の外出自粛や外食が機会は減ってしまったことにより、売上げが前年同月比で33%まで落ち、営業利益はマイナス60億にまでなってしまい、危機的な状況に陥っていたのだ。



そこでサイゼリヤは状況を打開するためにメニューの価格を、

・299円で提供されていたドリア→1円値上げして300円に変更

・169円で提供されていたライス→値下げして150円に変更

・110円で提供されていたドリンクバー→値下げして100円に変更

このように価格のお尻を00円もしくは50円に統一し、変更したのだ。



結果的に、この価格変更は大成功。価格の区切りが良くなったことで、当初は約700円だった客単価が約1000円まで上昇し、お会計にかかる時間も30%削減にもなった。



サイゼリヤの成功事例から分かるように価格が「たった数十円」変わるだけで売上げは一気に変わってくる。



断言しよう。



価格が低ければ売れるなんてことはない。価格を下げても売れないものは売れないし、お客さんが増えることもない。逆に、1000円の商品を2000円に値上げすることで、売上げが上がったなんてことはよくあることだ。



価格設定で失敗してしまうのは、

・なんとなく決めてしまっている

・安ければ売れると勘違いしている

・業界常識に囚われている

・自分の商品に自信がない

・間違った競合と比べてしまっている

などこのほかにもたくさんある。



多くの人は、動画編集やホームページ制作のような勉強はするが、価格戦略の勉強をする人は少ない。重要なのは、今までの価格設定への思い込みを無くすこと。価格を決めた時点で、うまくいくのか、失敗するのかの大半は決まってしまう。何度も言うが、価格はすべての中心になる。






◾️価格が高いと起こる錯覚


ある研究で、「値下げをすると販売効果が下がってしまう」という研究結果が出ている。つまり、値下げをするよりも値下げをしない方が最終的に儲けられるということだ。これは、飲食店だろうが、カフェだろうが、オンラインサービスだろうがすべての商品、サービスに当てはまる。



「そんなわけねーだろ」と思っているおバカちゃんもいるかもしれないが、これは証明されている。ある物件会社が行った調査で、企業が提供した価格で物件を購入したお客さんの質は良かったが、逆に企業が提供した価格を値引きして購入したお客さんの質は悪いという結果が出ている。この結果から分かることは、値引きをすることで自分が望んでない質の悪いお客さんを集めてしまうということ。



20%の不必要なお客さんは、80%の不利益をもたらす。その20%の不必要なお客さんをわざわざ値引きして引き寄せてしまうのはもったいない。



「価格を高くする」ということをせずに「価格を安くする」ということばかり考えている人が多いが、実は、価格を高くすることで面白い現象が起こる。それは「お客さんが商品、サービスに価値があると思い込んだり、効果があると勝手に錯覚してしまう」ということだ。



僕もこの現象を経験したことがあるので話そう。パソコンの画面をずっと見ていて目が疲れたから、目薬を買いに薬局に行ったら、目薬の種類は何種類もあった。



その中でも目に止まったのが、

1つ目:300円の目薬

2つ目:1000円の目薬

3つ目:1200円の目薬

この3つだ。



そして最終的に買ったのは、3つ目の1200円の目薬だ。理由は、「他の安い目薬より、価格が高いから効果あるだろう」と思ったからだ。使ったこともないのに。笑



このように「価格が高い」というだけで人は価値や効果を錯覚してしまう。



これはカリフォルニア大学の実験でも証明されている。20人にワインの試食を行い、その様子を脳内スキャンで観察した。20人には、「5種類の価格が異なるワインを試食してもらう」と伝えたが、実際に与えられたワインは、500円、4000円、1万円の3種類だけ。


1回目:500円のワインを「500円のワインだよ」と伝えて試食

2回目:1万円のワインを「1000円のワインだよ」と伝えて試食

3回目:4000円のワインを「4000円のワインだよ」と伝えて試食

4回目:500円のワインを「5000円のワインだよ」と伝えて試食

5回目:1万円のワインを「1万円のワインだよ」と伝えて試食


実験の結果は、「価格が安い」と伝えられて飲んだワインよりも「価格が高い」と伝えられて飲んだワインの方が満足感が高かった。つまり、価格によってワインへの価値が変わってしまっているのだ。



人は価格や、先に伝えられている情報によって、味や価値を決定している。価格を高くすることで人の錯覚をうまく利用することができる。






◾️価値を高く保ちつつ、お得感を出す


もし、あなたが商品の価格を高く設定しようと考えているなら、どんなことがあっても値下げしてはいけない。理由は値下げをしてしまうと、商品の価値を傷つけてしまうからだ。例えば、ロールスロイスのような高級車が100万円で売っていたとしたら買いたいと思うだろうか?きっと、誰も思わないだろう。価格が高い価値の高いロールスロイスを欲しがる人はいるが、価格が低い価値の低いロールスロイスだったら、誰も買おうとは思わない。



じゃあ、どうすれば商品の価値を高く保ちつつ、お得に感じさせることができるのか?



簡単だ。付加価値をつければいい。例えば、保証をつけたり、特典をつけたり、特別サービスをしてあげることで、値下げをしなくてもお客さんに「お得だ」と感じさせることはできる。



この付加価値の付け方は、テクニックが少し必要だから、中学生でも分かるように説明していこう。



まず、保証をつけるといっても中途半端では意味がない。「商品に自信がある」ということがお客さんに伝わる保証の付け方をすることで効果が倍増するのだ。例えば、「一週間以内であれば、返金します」なんてものは中途半端すぎてお客さんは見慣れている。感情が動くことはない。だけど、「もし、この商品に感動していただけなかった場合、すぐにご連絡ください。3日以内に返金いたします。」このような保証であれば、あなたの自信がお客さんに伝わり間違いなく、魅力的に感じるだろう。



「でも、返金されまくったらどうしよう」と思った人もいると思うが、面白いことに返金対応をしてくるのは全体の3%以下。例えば、某有名プログラミングスクールでは、受講料が50万円を超えるにも関わらず、返金率は1%〜2.5%なのだ。注意して欲しいのは、もし返金率が5%を超える場合、商品、サービスの質に問題があるということ。返金率が5%を超える場合は、顧客の声に耳を傾けて商品、サービスを改善していくことをおすすめする。



次に、今すぐ使えるような特典、特別サービスの付け方を紹介しよう。例えば、あなたが5万円のコンテンツをオンライン上で販売するとしよう。多くの人がやる「期間限定1万円OFF」「大セール中!今なら50%OFF」このような値引きして、商品の価値を下げるキャンペーンは何があってもしてはいけない。



じゃあ、どうすれば値引きをせずにお得に感じさせるのか?



商品の価値を高く保ったまま、お客さんに「お得だな」「買いたいな」と思ってもらうためには、

・「〜日までに申し込んだ方には限定動画をプレゼントします」

・「〜名限定で30分間コンサルします」

・「サービスを受講してくださった方限定のコミュニティに招待します」

このようにどれだけ与えても減らないものを付加価値として特典でつけていくこと。



面白い付加価値の付け方を1つだけ紹介すると、「バビロン大富豪の教え」という本の中で、主人公のバンシルが剣を販売していると、剣を買うか、買わないかを迷っているお客さんが「値引きしてくれ」と言ってきた。バンジルは「あと銀貨を2枚払ってくれたら月に1度、剣を研ぎにあなたの家まで行ってあげるよ」と自分の足を付加価値にして剣を売った。



この話から分かるように「何を付加価値にするか?」を考えるのが重要。僕は、ビジネスの醍醐味はここにあると思っている。値引きなんてことは、思考停止した猿でもできる。頭を使わなく良いから楽だ。でも、頭を使わない代償としてお金を稼ぐことはできなくなってしまう。



特典、特別サービスの付け方1つで商品を今より魅力的に感じさせることはいくらでもできる。しかも、動画コンテンツのような特典にすることで、一度作ってしまえば多くの人に使用でき、どれだけお客さんに与えても、あなたの資産が減ることはない。



あなたが価格が高い商品を売る場合は、値引きをせずに保証、特典をつけて価値を傷つけずお客さんの感情的な価値を高められる工夫をすべきだ。






◾️値引きしてもいい瞬間


さあ、ここからが本題だ。「え、今ままでのは前置きだったの?」とびっくりしている人もいるかもしれない。当たり前だ。マーケティングの教科書を作るつもりでコンテンツを作っているのだから。笑



今まで散々、「値引きはするな」と言ってきたが、実は、値引きをしても良い瞬間が1つある。それは、「紹介をもらえる場合」だ。例えば、あなたが商品を値引きするのと引き換えに、友人、家族を2人紹介してもらえるなら、むしろ値引きするべきだ。



あなたが1万円の商品を扱っていたとすると、

・値引きせず売った場合、売上げは1万円

・2人紹介してもらうのと引き換えに50%値引きして売った場合、売上げは2万5000円

になる。ここで勘違いしてはいけないことは、値引きをして紹介をしてもらえることの最大のメリットは売上げが上がることではなく、お客さんのリストが増えるということだ。



正直、お客さんのリストはお金よりも大事だ。「え、何言ってるの?」と驚いている人のために、お客さんのリストがどどれだけ大事か理解できる江戸時代に商売をしていた人たちの話をしよう。



あなたが、もし火事が起きたら何を持って逃げるだろうか?


きっと多くの人は、

・財布を持って逃げる

・とにかく現金だけは守り抜く

このような行動をするだろう。


江戸時代に商売をしていた人たちは全く違う行動をする。火事が起きたら、真っ先に顧客リストが載っている台帳を守り抜いたのだ。



なぜ、現金よりも顧客リストを大事にするのか?



それは、顧客生涯価値(LTV)を考えているからだ。顧客生涯価値とは、「お客さんがあなたの商品、サービスに対して生涯で払ってくれるお金の総額」のことだ。例えば、あなたが10万円の単発商品をお客さんに売って、関係が終わってしまうのと、月額1万円の商品をお客さんが2年間払い続けてくれるのとでは、どちらが顧客生涯価値は高いだろうか?



後者の月額1万円の商品を2年間払い続けたくれた方が単発で10万円の商品を売った時よりも2倍以上のお金を払ってもらうことができる。



江戸時代に商売をしていた人はたとえ現金を失ったとしても、お客さんさえいればビジネスを立ち上げて、何度でも復活できることを知っていたからこそ、火事が起きて真っ先に顧客リストを守ったのだ。



この話から分かるように「お客さんのリストを増やす」ということは長期的にみて、莫大な利益に繋がる。



この戦略は大手も活用している。ネットフリックスは、1人でサービスを利用すると980円だが、4人で活用すると1980円になる。コストコは、会員1人につき、2人までの付き添いが可能になっている。このようにあえて値引きをして、紹介をもらうことで顧客リストを増やすことができ、広告費の削減、口コミでの認知拡大など、莫大なメリットがある。



価値を下げるような値下げは絶対にしてはいけない。だが、お客さんの紹介と引き換えに値引きすることは立派な戦略の1つだ。






◾️ブランドは究極の価格戦略


お客さんは商品、サービスの価格を見て「買うか、買わないか」を決めているわけではない。



もし、お客さんが商品、サービスを価格だけで買うか、買わないかを決めていたら、ロールスロイスもスターバックスのコーヒーもFENDIのシャツもSupremeのスニーカーも、利益を出すことができず倒産しているはずだ。移動手段として車を利用するだけなら、ロールスロイスではなくボロボロの車でもいい。コーヒーを飲みたいだけなら、スターバックスではなく、コンビニのコーヒーでいい。裸を隠すために着るための洋服やスニーカーなら、FENDIのシャツやSupremeのスニーカーではなく、ユニクロでいい。



このようにお客さんは商品、サービスに対して感情的な価値を感じていない場合、価格を見て商品を買うか、買わないかを判断するようになる。逆に、感情的な価値を感じている場合、価格がどれだけ高くても買おうとするのだ。



商品を売るために大事なことは、お客さんに「どんな価格でも、絶対に買いたい」と思ってもらうこと。つまり、お客さんが頭の中で商品を事前に買っている状態を作ることが重要なのだ。



例えば、ロールスロイスについて考えてみよ。ロールスロイスがたとえ、燃費が悪く、スピードも出ない、あまり機能としては活用できないとしても、「成功して女の子にモテたい」と思っているビジネスマンにとっては価格以上の価値がある。この時に何が起きているかというと、ロールスロイスを買う前にロールスロイスを買った後のビジョンを想像してしまっているということ。つまり、買っていないのに買っている状態が起こっているのだ。



ブランド化してしまうことができれば、あなたの商品、サービスの価格がどんなに高くても売れるようになる。これこそが究極の価格戦略だ。



ある研究によると「ブランドというだけで、絶大な効果を発揮する」という実験結果も出ている。例えば、同じコーヒを「コンビニのコーヒーですよ」と伝えるか「スタバのコーヒーですよ」と伝えるかで、「美味しい」と答える人は変わってくる。もちろん「スタバのコーヒーですよ」と伝えた方が「美味しい」と答える人は圧倒的に多い。



お客さんが商品、サービスを「ブランド」と認識していれば、それが付加価値になり、価格に反映されるのだ。しかも競合と争う必要もなくなる。これはすべての商品、サービスに当てはまる。






◾️誰が売るか、誰に売るか、どこで売るか


「いくらの価格で商品、サービスを提供するか」と「お客さんが買うか」には、

①誰が売るか

②誰に売るか

③どこで売るか

の3つが大きく影響してくる。この3つを上手く利用することで価格が低いか、高いかなんてことはお客さんにとってどうでもよくなってしまう。


1つずつ、分かりやすく解説していこう。






①「誰が売るか」


まったく一緒の商品だとしても、売る人が違えばお客さんが支払う金額も変わってくる。例えば、あなたが「ビジネスを学びたい!」と思っているとしよう。現役で億以上稼いでる経営者の方と、そこらへんのパチンコ屋にいるおじさんどちらにお金を払って、「ビジネスを教えてもらいたい」と思うだろうか。たとえ、教えてもらえる内容がまったく一緒だったとしても現役で億以上稼いでいる経営者の方に教えてもらいたいと思うはずだ。



「何を売るか」よりも「誰が売るか」の方が100倍大事なのだ。どんなに売れていない化粧品だとしても、石原さとみさんが売れば大ヒットになる。ピカソが書いた絵であれば、どんなにヘンテコでも億を越すような価格で取引される。そこらへんに落ちている価値のない石でさえ、サッカーの神様と言われているメッシが売れば、即完売だ。



もし、あなたが商品を高い価格で売りたかったら何を売るかよりまずは、「お客さんがあなたのことをどんな人間と思っているのか」を考えること。そして「お客さんがどんな人から買いたいと思っているか」を考えて、「この人が売れば売れる」という人を起用するか、自分がなることで、今まで売れなかった商品を簡単に売ることはできる。






②誰に売るか


お客さんにとって、価格が安いということは、価格が安い分、失っているものがあるということを忘れてはいけない。例えば、価格が安い税理士を雇うとする。確かに価格は安いかもしれないが、打ち合わせの回数が多いのに的確なアドバイスをもらえなかったり、中途半端な仕事しかしてもらえなかった場合、あなたはお金よりも貴重な時間を失うことになる。時間を失うくらいなら、少し高くても良い税理士を雇いたい。むしろ、高いお金を払うから良い税理士の戦士を雇いたいと思うだろう。



他にもあなたがもし、トイレを我慢していて漏れそうな状況だとしよう。無料で使えるところは混雑しているが、お金を払えば使用可能な有料なトイレが、ガラ空きだったらお金を払って有料のトイレを利用するだろう。



無料や価格が低いということは、どんな商品、サービスにもプライバシー、時間、質など何かしらのデメリットが存在している。なので「無料じゃないといらない」「価格が低くないと買わない」と考えているお客さんが何人いようと無視していい。気にする必要はない。



重要なのは、「お金を払ってでもサービスを受けたい」と思っているお客さんに買ってもらうこと。あなたの商品、サービスで世界中の人を満足させることは不可能なのだ。だからこそ、あなたの商品を「お金を払って買いたい」と思っている人に売ることが大事である。






③どこで売るか


水を例にして考えてみよう。水にはコンビニで100円で売られているもの、山の麓で200円で売られているもの、海外のレストランで500円で売られているもの、高級ホテルで1000円で売られているもの、有名ブランドで300円で売られているもの、など同じ水でもいろんな場所で売られている。



それぞれの場所で価格の差はあるが、成分の差によって価格が決まるわけではない。価格の差は、付加価値やその場所の常識で決まる。山の麓のように水の希少性が高いと価格が上がったり、日本のレストランでは無料の水も、海外では当たり前のように水は有料だったりする。



化粧品の面白い話をしよう。実は、いろんなメーカーや企業が販売している化粧品の成分はほとんど変わらない。製造している場所も方法も同じなのに通販で売られているもの、薬局で売られているもの、ショッピングセンターで売られているもの、有名ブランドで売られているもの、それぞれ価格が違う。売る場所、PR、商品名が違うだけで、価格は変わるのだ。



商品を売るということは、あらゆる要素が関わってくる。商品の質を変えなくても、場所を変えただけで売れることがある。あなたの商品をどこで売れば、価値が高くなるのかを頭から汁が出るほど考えなければいけない。場所を変えるだけで、今まで売れなかった商品がいきなり売れ始めるなんてことは珍しいことではなく、よくあることだ。






◾️狙うはお忘れ課金


価格戦略の面白い点は、価格が高ければ高いほどお客さんの錯覚を利用でき、価格が安ければ安いほど払っていることを忘れてしまうということだ。価格1つで事業が成功するか、失敗するか決まってしまう。勝負の女神は価格設定に宿るといっても過言ではない。



月額制のサービスをするときに有効な価格戦略の1つは、お忘れ課金を狙うことだ。お忘れ課金とは、お客さんがサービスにお金を払っているのを忘れてしまい、永遠にお金を払い続けている状態だ。この現象は価格が安ければ安いほど起こる。



少し考えてみて欲しい。あなたはクレジットカードで決済しているサービスの名前と価格を明確に答えられだろうか?きっとほとんどの人は明確には答えられない。これは、答えられないあなたが悪いのではない。最初からお客さんが忘れるような価格設定に商品、サービスの提供者が設定しているのだ。



10年間あるサービスにずっとお金を払い続けていた女の子の話をしよう。17歳の頃、プリクラの月額300円のサービスで携帯に写真を送ってもらえるサービスがあり、「まあ、300円で安いしいいか」と思って申し込んだ。そして17歳から27歳までの10年間月額300円を払い続けていたのだ。10年間300円を払い続けた合計額を計算すると、3万6000円になる。一括で「3万6000円払ってください」と言われていたら、絶対に払わなかったはずだ。



このように月額制サービスの価格を下げれば下げるほどお客さんは払っていることを忘れて払い続けてくれる。そして、10年単位で合計額を計算してみるとすごい額になっていることがある。チリも積もれば山となる理論と一緒だ。



お忘れ課金戦略は、大手ほど活用している。例えば、ソフトバンクの携帯オプションは、毎月携帯料金から自動で引かれているから、使っていないオプションが付いていたとしても意識して明細書を見ていなければ、無駄なお金を払っていることにさえ気付かない。他にもiPhoneのiCloudサービスの価格は月額130円だ。僕も払い続けているのだが正直、どんな効果があるかも何に払い続けているかさっぱり分からない。そして困ったことに解約方法も分からない。



この「解約方法が分からない」ということがお忘れ課金のカギを握っている。人は、現状を維持したいという習性を持っている。つまり、行動を先延ばしにしてしまうのだ。一度、月額の安いサービスに課金してしまうと、解約するのがめんどくさくなってしまったり、時給単価が高い人であれば、解約するまでの時間で損をしてしまうことになる。


お客さんに一度でも課金してもらうと、ほとんどの確率で解約されることはない。一回で支払ってもらえる料金は少ないが、長期的にずっと払い続けてくれる。お金を生み出すコピーマシーンを持っているのと同じだと思っていい。



じゃあ、お客さんは価格がどれくらいになると忘れてしまうのか?



1000円以下の価格設定すると、お客さんは払っていることを忘れてしまう。1000円から価格が上がれば上がるほどお客さんは、お金を払っていることを忘れない。



もし、あなたがお忘れ課金を狙った価格設定をするなら是非、1000円以下にしてみてくれ。短期的に儲かることはないかもしれないが、長期的にみると、少額だったお金が積もって、大金になる。






◾️価格を上げるための3つの方法


「自信のある商品が売れない」という状況が続いてしまうと、弱気になってしまい、価格を下げられるところまで下げるという最悪な戦略をとってしまう人が多い。価格を下げたことによって結果的に、商品、サービスの価値を傷つけてしまい、お客さんの満足度まで下げてしまうことがほとんどだ。

価格に関して、絶対に忘れてはいけないことがある。それは、どんな商品、サービスもお客さんは価格ではなく、価値があるか、ないかで購買を決定してるということ。「価値がある」と思えば、価格が高くても支払う。でも、「あんまり価値ないな」と思えば、価格が低くても、支払わない。むしろ、無料でも手に取ることはない。

どうすれば、価格を上げても売れるのか?

商品の価格を上げても売れるようにするには、次の3つの方法がある。1つ1つ詳しく話していくから「面白い!」「最高だ!」と感動したらツイッターかインスタにDMして欲しい。なぜなら影響力をつけたいという下心丸だしでコンテンツを作っているからだ。笑

①価格を表現する

②時間を付加価値にする

③未来の報酬に意識を向けさせる




①価格を表現する


人は商品を買うときは、「1円でも安く、いい商品を買おう」と商品を買うプロになる。だが、商品を売るとなると、「1円でも高く売ろう」と思っても売れない素人になってしまうのだ。99%の人は、商品の価格を表示はする。だが、価格の高い商品を売るのが上手い人は、価格を表現するから売れる。

「え、どういうこと?」と思った人もいるかもしれないから分かりやすい例えを話そう。フェイスパック30枚入りが3000円で売っているとしよう。「1箱3000円」と聞くと「まあ、そんなものか」「ちょっと高いなー」と感じるだろう。ここで価格を表示するのではなく、価格を表現してみると「1日100円」このようにできる。「1日100円」と聞くと、「なんか安いな」「ジュース一本我慢すればいいか」と安く感じる。つまり、商品の価格が高くても表現1つで安く感じさせることは可能なのだ。

価格を表現するときに、重要なのは「どのように表現するか」ということだ。例えば、あなたが1000円の商品を売りたいと思った時に表現を「本1冊分」としてしまうと失敗する。なぜなら表現の仕方がよくないからだ。表現するものは価値があるものではなく、浪費と言われるような価値のないものにしなければいけない。

今回の場合でいうと「本1冊分」と表現してしまうと「本って知識得られるから価値ある」と思われてしまうが、「タバコ2箱分」と表現すると、「タバコ2箱買うくらいならこっち買おう」というようにお客さんに思わせることができる。大事なのはお客さんが無駄使いしているお金を商品を使って表現すること。

価格を表現するだけで、高い価格の商品も「1日100円は安いな」「タバコ買うくらいなこっち買うか」このようにお客さんの感情をコントロールすることができる。

あなたも商品の価格を表示するだけでなく、表現してみてくれ。


②時間を付加価値にする

「時は金なり」という言葉があるように時間はお金以上の価値がある。大富豪がどれだけお金を払っても時間だけは巻き戻すことのできない貴重な資産が時間なのだ。あなたの商品、サービスに時間を付加価値にすることで一気に価格を上げることができる。



例えば、ディズニーランドであれば、園内のホテルに泊まっている人限定の早朝開園がある。「園内に泊まれば人が少ない時に遊べる」と思って、周りの安いホテルではなく、園内の高いホテルに泊まる人はいる。クリーニング店でも時間を付加価値にしたサービスがある。それは、お急ぎコースのようなものだ。普通のコースだとか価格は高くないが、お急ぎコースだと価格が一気に上がる。それでも、「明日までに洋服が必要だ、、、」と思っているお客さんは注文する。



このように時間を付加価値にするだけで商品、サービスの価値は高くなり、結果的に価格を高くしてもお客さんはお金を払ってくれるのだ。



今の時代、集客をするために無料で商品、サービスを提供している人は多い。でも実は、時間を付加価値にすることで、「無料じゃなくていい。お金を払うからサービスを受けさせてくれ」とお客さんから言うようになるのだ。



「え、そんなことある?」と思ってしまった人もいるだろうが、安心してくれ。中学生でも分かるように説明していく。



想像してみてくれ。あなたはめちゃくちゃ喉が渇いて死にそうな状況にいる。近くのお店がたまたま「飲み物無料キャンペーン」をやっている。多くの人が「無料なら行こうかな」と思い、お店には予想通り大行列ができている。なんと、このお店に入るまでに30分もかかってしまうのだ。この時にあなたは「無料で飲み物を飲みたい」と思って30分以上、列に並ぶだろうか?



相当がめつい人でない限り、並ばないはずだ。少し高かったとしても横にある自販機でお金を払って飲み物を買う。このように人は商品、サービスがいくら無料でも「時間」が付加価値でついていると、お金を自分から払うようになるのだ。




「時間」という貴重な資産は、高いお金を払う価値のあるものだ。あなたの商品、サービスに「時間」という付加価値つけることで、「価格が高くても買いたい」と言ってくれるお客さんは必ずいる。「時間」は最強の付加価値なのだ。



③未来の報酬に意識を向けさせる

お客さんの意識を自分たちが支払わなくてはいけないお金ではなく、最終的にもたらされる報酬に目を向けさせること。そうすることで、お客さんは商品、サービスの価格が高いか、低いかではなくお得か、お得ではないかで判断するようになる。



例えば、100万円でプログラミングを学べるスクールがあるとする。100万円という価格だけ聞くと「結構、高いな、、、」と感じる。そこで、「プログラミングを1年間必死に勉強すれば、年収1200万円はいきます。それが10年続くと考えてください。スクールに通うために必要な100万円って高いですか?安いですか?」とスクールの講師に言われたらどうだろうか。「たしかにそう考えると、お得だな、、、」というようになってしまう。



100万円は高い。でも年収1200万円が10年続く未来を手に入れるためだったら100万円は安い。このように商品、サービスを使うことで得られる最終的にもたらされる報酬に目を向けさせることで、高い価格の商品でさえ、安く感じさせることはできるのだ。



このテクニックを使うとどんな高い商品でも売ることができてしまう。例えば、家を買うか迷っているお客さんに「3000万円で子供の笑顔と、家族での時間が買えると思ったら安くないですか?」とあなたが言ってあげるだけで、3000万円が安く感じるだろう。ダイエット器具を買うか迷っているお客さんに「10万円で魅力的な身体が手に入るなら安くないですか?」とあなたが言ってあげるだけで、10万円が安く感じるだろう。



大事なのは、高いお金を払う理由を作ってあげることだ。人は感情でお金を払い、理屈で正当化する。価格が高くなればなるほど、お金を払う理由が大事になってくる。人は価格が高い商品、サービスを見ると、ほっぺたをつねられるような痛みを無意識に感じている。だが、価格が高い理由が分かると痛みを感じることはない。



商品、サービスの価格が高い場合は、お金を払ってどんな未来を手に入れられるかをお客さんに伝えてあげること。これだけで、価格が高い商品、サービスを簡単に売ることができてしまう禁断の戦略なのだ。






◾️Check Point


✔︎ 価格が高いとお客さんは錯覚する

✔︎ 保証や特典をつけて商品を値下げしない

✔︎ 紹介をもらえる場合は値下げしてもいい

✔︎ お忘れ課金も1つの戦略

✔︎ 価格を表現、時間を付加価値、未来の報酬に意識を向けさせる